ドローン始めようかと思ってるけどいきなり法改正って…。
規制が厳しくなったら面倒だな。
法改正は空の安全を守るための法律です。つまり今よりも安全に飛行ができるようになるってことです。
今回は
- 無人航空機の定義が変わる!ドローンユーザを悩ませる航空法の改正とは?
- 航空法の改正のひとつ、所有者の機体登録が義務化に
- リモートIDの搭載が義務化される
- 航空法改正の目的は何?どうして行われることになった?
- 航空法の改正!守らなければどうなる?免許停止それとも?
一見難しそうですが空の安全のためと思えば納得できることばかりです。
難しいから抵抗あるな、と思われる方のためにわかりやすくお話していきますので最後までおつきあいください。
航空法改正で新しく追加された法律「飛行日誌の義務」があります。
ドローン飛行日誌の悩みは【FwriteDown(フライトダウン)】で解決!
無料で簡単にできるツールを使って、日々の飛行にお役立てください。
無人航空機の定義が変わる!ドローンユーザーを悩ませる航空法の改正とは?
無人航空機には定義があり、一定の重量からは墜落の危険性を伴うため「航空法」で飛行を制限されています。
2022年6月19日まで200g以上のドローンは無人航空機、それ以下は模型飛行機として分類されてきましたが現在は100g以上です。
- そもそも無人航空機ってどのように定義されている?
- 航空法が改正されると何が変わる?|ユーザーを悩ませる飛行と撮影機能の違い!
- どうして航空法を改正するのか?|その背景とは?
ここでは無人航空機についてお話していきましょう。
①そもそも無人航空機ってどのように定義されている?
航空法上の無人航空機とはどのようなものを指すのでしょうか。
・飛行機、回転翼機、滑空機、飛行船のどれか
・構造上人が乗れないもの
・遠隔操作または自動操縦により飛行が可能なもの
重量(本体とバッテリーの合計)が100g以上のものが無人航空機になります。
ドローン、ラジコンも同じように分類されています。
2022年6月20日からは航空法の改正により無人航空機の分類が変更になりました
2022年6月19日迄
重量200g以上が無人航空機
⇩
現在
重量100g以上が無人航空機
航空法が改正されてどうなったのか、ひとつずつお話していきましょう。
②航空法が改正されて何が変わった?|ユーザーを悩ませるドローンの性能差!
これまで199gのMAVIC MINIは模型飛行機とされていたので規制も少なく自由に飛行させることができていました。
「模型航空機」が飛行させてはいけない場所は
・私有地の上空
・公園、重要文化財、史跡、神社
・道路交通法に関わる場所
対して「無人航空機」が飛行させてはいけない場所とルールには
- 空港周辺での飛行禁止
- 150m以上の上空
- 人口密集地域
- 私有地の上空
- 公園、重要文化財、史跡、神社
- 道路交通法に関わる場所
ずいぶん違うんですね。模型航空機はおもちゃ扱いなんですね。
「無人航空機」の飛行ルールは
- 日中に飛行させること
- 目視内で飛行させること
- 第三者、物件から30m以上離すこと
- 催し場所で飛行させてはいけない
- 飲酒時に操縦してはいけない
- 危険物を輸送しない
- ドローンから物件を投下しない
2022年6月20日から重量200g以上から100g以上に引き下げられ、これまで無許可で飛行ができたMAVIC MINIのような199gのドローンも航空法の対象になりました。
199gで4K映像が撮影できてカメラがぶれないジンバルやGPS機能がついたドローンが模型飛行機の扱いだったんですね。
確かにあまりにも出来過ぎたおもちゃです。
100g以上のドローンは航空機なので航空法に沿って飛行させなくてはなりません
だったら100g未満のドローンを外で飛ばせば今まで通り規制に関係なく飛ばせるんじゃないですか?
残念なことに100g未満のドローンの性能は
- 10分ほどしか飛ばせない
- 映像の品質がよくない
- そもそも軽くて風に弱くすぐ飛ばされてしまうので屋外飛行に向いていない
- GPS機能もないのでホバリングさえ難しい
軽い機体に「カメラ解像度」「GPS「長持ちするバッテリー」を搭載すれば100gの制限をすぐに超えてしまいます。
199gのMAVIC MINIのようにはいかないんですね。
ドローンを遊び道具として飛ばしてきたユーザーは、国が目指す「空のロードマップ」の犠牲にならざるを得ないといったところでしょう。
③どうして航空法を改正するのか?|その理由が知りたい!
どうして今、改正を行わなければならなかったのでしょうか。
航空法の対象重量が200gから100gに引き下げられた理由は
- 高性能な200g未満ギリギリ(199g)のドローンが登場した!
- 規制が緩かったため無免許のドローンユーザーが増えた!
- 結果的にドローンの事故が増えた
高性能な200g未満ギリギリ(199g)のドローンが登場した!
200g未満のドローンは危険性がないと判断されていたところに規制をギリギリ下回るドローンが登場したことで大きな変化が起こりました。
- 高性能なジンバルがぶれのない映像品質を実現
- 安定した飛行を実現する各センサー
- 優れたGPS機能
199gでこれだけのドローンがあるのか?
そう思われるほどの素晴らしい技術が搭載され、仕事の分野でも活躍しています。
都心の夜景や日の出など美しい映像は模型飛行機の枠を超えてドローンユーザを魅了しています。
手軽な価格で楽しめるからドローンユーザーが一気に増えた!
仕事でも十分使えるドローンが5万円台で買える。しかも航空法にかからない199gのドローンなら資格も飛行許可もいらないしどこでも飛行できる。
ドローンユーザーが増えるのにそれほど時間はかかりませんでした。
購入するのにも規制はなく、航空法を学ぶ必要もなかったわけですね。
のちに様々な問題を引き起こすことになります。
結果的にドローンの事故が増えた!
ドローンの事故で一番多いのは墜落です。
なぜ墜落事故が起きるのか、それは技術の問題だけではありません。
・飛行スキルが未熟
・強風、雨などの自然環境
・バッテリー切れ
・通信障害
・整備不良
飛行スキルを除けば全て「知識」に原因があります。
強風や雨の中で飛行させたりバッテリーの残量をチェックせずに飛行させると事故の原因にもなります。
山間部や橋の下をくぐらせたり、電波を発する建物の近くを飛ばしたり、GPSへの知識不足が通信障害により事故につながることもあります。
整備が行き届かない自動車が事故を引き起こすようにドローンの整備不良も墜落する原因のひとつにあげられています。
航空法が改正されるのも納得ですね。知識を身につけてから飛ばさないと下にいる人は危険ですし二次災害を招くこともありそうです。
ドローンユーザー悩ませる改正ですが安全のために辛抱しましょう。
航空法の改正のひとつ、所有者の機体登録が義務になった!
航空法が改正されると機体登録していないドローンは屋外で飛行できません。
100g以上のドローンをお持ちなら必ず登録しておきましょう。
そもそもこれまで必要なかったのにどうしていきなり登録が必要になったのかな。
3つに分けて説明していきますね。
- 機体登録が義務化になるとどうなる?
- 結構難しい?機体登録の方法
- 期限までに必ず登録すべき!事前登録することのメリットと注意点!
機体登録が義務化になるとどうなる?
機体を登録することで個人を特定できる記号が与えられ、機体に表示しなければなりません。
事故が起きたとき誰のドローンが引き起こしたかわかるようにするためですね。
- 事故発生時などにおける所有者を把握できる
- 事故の原因究明や安全確保になる
- 安全上問題のある機体の登録を拒否して安全が確保できる
車のナンバープレートのように所有者を特定できるので責任を持って飛行させることにつながります。
結構難しい?機体登録の方法
無人航空機登録ポータルサイトには簡単に書いてあります。
①申請 → ②入金 → ③登録記号発行
ふ〜ん、簡単なんだ。と思っていましたが…。
やってみましたけど結構時間がかかりました。
- 登録の方法によって支払う金額が違う
- 一番安いマイナンバーカードを使うのが結構面倒
- ぐるぐる回って先に進めないページがある。
- 登録が完了したはずなのにメールで通知が届かない
実際に登録すると注意する点が見えてきます。
代行や行政書士に頼みたい! その前にご一読をおすすめします。
ドローンの機体登録!代行に頼みたくなるほどの複雑さをどこよりもわかりやすく解説!
リモートIDの搭載が義務! それってつけないと航空法違反なの?
リモートIDとはドローンに登録された番号を遠隔地から確認できる信号を発する部品の事で車で言うナンバープレートの役割をするものです。
航空法の改正とともにすべての機体にリモートIDの搭載が義務付けられます。
2022年6月20日の改正前までに「機体登録」を済ませると
リモートIDを搭載しなくてもいい
ドローンを修理に出して機体の番号が変わった場合は搭載しないといけなくなるので注意してくださいね。
現在は100g以上のすべての機種にリモートIDの搭載が義務付けられていて、怠った場合は1年未満の懲役または50万円以下の罰金という航空法違反の罰則があります。
DJIから発売されているドローンの中にリモートID機能が内蔵されている機種が元から内蔵されているものがあります。
さすがDJIですね。
航空法改正の目的は何?どうして行われることになった?
航空法改正の目的は何でしょうか?
いくつかの理由があります。
・レベル4飛行実現のため
・レベル4飛行はいつから行われるの?
・レベル4飛行は誰が行う?
わかりやすくお話していきましょう。
・レベル4飛行実現のため
レベル4は現在許可されていない飛行で「友人地帯での目視外飛行(補助者なし)」のことです。
具体的には
- 人の上空を飛行する。
- 目の届かないところへ自動で飛行させる
- 補助者をつけずに飛行させる。
経産省の「空の産業革命ロードマップ」では2022年を目標に都心での配送計画が記されています。
レベル4飛行が実現化されることでこれまでの無人エリアだけでなく
- 都心部での配送業務
- 都心部での点検
- 都心部での測量
- 災害直後の救助
人手不足の解消とともに人件費の削減、作業時間の短縮、危険性の会費などあらゆる効果が期待できます。
物流、警備、点検、災害、そして空飛ぶクルマまで想定されているんですね。
今回の航空法改正は、別の目的を持ったたくさんのドローンが同時飛行する時代に備えた交通整備と考えて良いでしょう。
少し前に新庄監督がドローンバイクで空を飛んでいましたね。実際に発売されているので確実に一歩前に進んでいます。
ビッグボス新庄監督が空から登場!ドローンの現実を初めて大観衆の前で公開!
・レベル4飛行はいつから行われるの?
有人地帯での目視外飛行、レベル4は2022年度に行われる計画です。
2021年、幕張新都心ではすでに東京湾臨海部の物流倉庫から、海上や河川の上空を飛行し、幕張新都心内の高層マンションまで配送する構想が進められています。
近い将来、都心の上空でもドローンが飛行する姿を見れるようになりますね。
最近では配送業者の人手不足が大きな課題です。
レベル4飛行による荷物の配送は今後の物流業界を変えてくれることでしょう。
航空法の改正!守らなければどうなる?免許停止それとも?
航空法に違反をすると厳しい罰則が待ち構えています。
車のようにスピード違反や一時停止違反、ながら運転などの細かい規制や免許停止、免許取り消しはありませんが国家資格になると罰則も改正されるかもしれません。
航空法に違反すると
50万円以下の罰金又は一年以下の懲役が課せられます
2022年6月からは100g以上の機体も対象になるので注意しましょうね
ドローン飛行は航空法だけでなく電波法や道路交通法、民法、産廃法など関連した法律もあります。
逆に考えれば正しい知識を持つことは差別化になるのでしっかり身につけておきましょう。
ドローンが関わる法律と罰則事例9つ!重要知識を知ってスキルと信頼度をUP!
まとめ|ドローンの航空法!法律は敵か味方か?
いかがでしたか。
これまで自由に飛行できただけに厳しい改正ですね。
しかもドローンを持っているだけでお金を払う義務が加わりました。
- 航空機の定義が変わる!ドローンユーザを悩ませる航空法の改正とは?
- 航空法の改正、所有者機体登録義務化
- リモートIDの搭載が義務化される
- 航空法改正の目的は どうして行われることになった?
- 航空法の改正!守らなければどうなる?免許停止それとも?
空を飛び、撮影し、空中で止まれるドローンは、暮らしを変えてくれる存在になると世界中が注目しています。
レベル4飛行が実現すればたくさんのドローンが空を飛ぶ時代がやってきます。
でも自動車と同じように事故が避けて通れないですよね。
航空法の改正は
- 空の事故が起きる可能性を少しでも減らすため
- ドローンの機能を使って世の中をもっと便利にするため
- 事故が起きた時の原因究明を迅速に行うための整備
改正は自由に飛行できたドローンユーザーからは敵視されるかもしれないので「敵」なのかもしれませんが、宅配や災害、警備、農業、タクシーなどこれから広がる大きなメリットの前に安全を確保するために「味方」と考えるべきでしょう。
新しいことは日進月歩で確実に前に向いて進んでいきます。
ドローンの知識を身につけて時代の波に乗っている自分の姿が見えたなら、今すぐ取り組み始めることをおすすめします。