近々友人と空撮に行くことになりました!GPSやセンサーがあるから屋外の飛行も安心ですよね。
GPSは複数の衛生で位置を把握できる優れた性能を持っていますが100%安心なわけではないんです。
GPSが受信できにくい環境は
- 深い山の中
- 滝の近く
- 曇天
- ビルの間
一定性能以上のドローンはGPSを受信して安定した飛行ができますが、飛行させる環境によってはうまくGPSがキャッチできず操縦が難しくなり墜落させてしまうことがあります。
今回は
- 自分の部屋から離陸して窓から屋外に出たら墜落してしまった
- 大きな構造物を一周させる時に墜落させてしまった
- 水面ギリギリを飛行させてそのまま水没させてしまった
- 灯台に接近しすぎて墜落させてしまった
- 山と山の間を飛行させていて墜落させてしまった
- 川にかかる橋の下を通過させようとして墜落させてしまった
- 滝に接近して墜落させた
についてお話していきます。
第三者がいない場所でも墜落するとドローンの修理代がかかりますし、修理をしても事故を起こした機体で飛行させるのには不安が残ります。
ドローンは優れた性能を装備されていますが、自然環境によっては誤作動を起こす可能性を理解して飛行させることが大切です。
ドローンの事故を防げるチェックリストがあるってほんと? 気になる方はこちらをご覧ください。
屋外で安心して飛ばしたいなら使うべき! 事故を防ぐドローンのフライトチェックリスト!
①自分の部屋から離陸して窓から屋外に出たら墜落してしまった
GPS機能があるのにどうしてですか?
GPSは複数の衛生を使ってドローンに信号を届けるシステムです。
屋内は屋根や天井などの障害物があるのでドローンまで信号が届きません。
このケースは
- 屋内で離陸した時にはGPS信号を受信していない状態だった
- 屋外に出たとたんにGPS信号を受信してドローンを制御不能にさせてしまった
屋外に出た時に受信GPSを受信してドローンが混乱してしまうケースです。
部屋で飛行させている時に「ATTIモードに切り替えます」のメッセージがプロポから聞こえることがありますがこれはGPSが受信できないことを意味しています。
自分の部屋から外に飛ばして、部屋に戻そうと思う人は多いと思いますがGPS誤作動の原因になるのでおすすめできません。
屋内は衛星からの信号を遮る壁や屋根の障害物があるので受信できないと理解しておきましょう。
②大きな構造物を一周させる時に墜落させてしまった
海岸沿いにあった大きな仏像をぐるっと周回させた時に電波異常で墜落させてしまったケースです。
GPSが原因というより障害物にあたってプロポと機体の通信が途切れてしまうことで墜落したケースです。
ドローンで用いられる周波数2.4Ghzの特徴を見て見ましょう。
- 周波数が低く電波が遠くまで届きやすい
- 木や壁など電気を通しにくいものを通り抜ける。
- 直進性が高い
- WifiだけでなくBluetoothも共通で使用されているため電波干渉を受けやすい
- 金属のように電気を通しやすいものには反射してしまう
- 山や建物などの障害物に当たると電波が偏向する
墜落させないためには
- プロポのアンテナ側面をドローンの方向へ向けて飛行させる
- 建造物の向こう側にドローンが隠れないよう、数回に分けて撮影する。
建造物で隠れることで電波が途切れることを防ぎます。
ちょっと面倒ですし操縦者の場所が確保できない場合もありますね。
最近のドローンは自動航行や、フライトパターンが設定されている機種も多いので手動を避けて飛行させる方法もあります。
危険を感じたら状況に応じてホバリングまたはリターントゥホームで帰還させましょう。
③水面ギリギリを飛行させてそのまま水没させてしまった
目線を下げた空撮は迫力のある映像が魅力です。
でもそのせいでセンサーが誤作動を起こして機体が水没してしまう事例があるので注意が必要です。
水面はセンサーが認識しないってことですか?
波が立たない穏やかな水面で起こることは少ないと思いますが、日差しが波に反射してキラキラ光ったりする時には機体に誤作動を引き起こす原因になります。
飛行中のドローンを水平に保ち、安定した飛行を行うためにビジョンポジショニングシステムがあります。
・ビジョンセンサー
・カメラ
いずれも地面との距離を測定して安定飛行をするものです。
ビジョンポジショニングシステムが正常に作動しない条件としては
- 単色(白1色や赤1色)の地面上
- 地面がまばらな色や模様の場合
- 水面など地面が動いている場合
- ガラスなど地面が透明な場合
- 明暗の激しい場所
- 地面が30°を超えるようなきつい傾斜の場合
センサーが「地面」として認識しにくいものがあげられます。
地面の状態を確認して飛行させることって結構大切なんです。
水面ギリギリの迫力ある映像を撮影したい、でも墜落させないためには
- ビジョンポジショニングシステムをOFFにして飛行させる。
- 水面との距離をある程度高く保って飛行させる。
いずれかの方法での飛行をおすすめします。
④灯台に接近しすぎて墜落させてしまった
海岸は飛行許可が取りやすいので多くの方が撮影されていますが墜落する事例も報告されています。
原因のひとつは灯台から発する電波です。
多くの灯台は電波標識として近くを航行する船が距離を認識するために使用されています。
電波を発する灯台の近くをドローンが飛行する場合は電波の干渉を受けやすく電波障害を起こしドローンが制御不能になることがあります。
墜落させないためには
- 海上保安庁へ連絡して電波灯台かを調べておく
- 電波灯台かどうかわからない場合は近くを飛行させない
電波は目に見えないので調べておくしか方法はありませんが、電波灯台があると知っているだけで墜落を免れることができます。
⑤山と山の間を飛行させていて墜落させてしまった
キャンプへ行った時など飛行させる人も多いですが実は注意が必要です。
知っておかなければならないのは2.4Ghzの電波の修正です。
山や建物などの障害物に当たると電波が偏向する
GPSは直進性が高い分、山などの障害物に当たると反射することがあり、山の谷間ではGPSの乱反射により機体のGPS機能に不具合が起きて制御不能になる場合があります。
墜落させないためには
- 山と山の間でGPSの乱反射が起きそうな場所では「GPSをOFFにして飛行させる」のがおすすめです。
DJIのPhantom4のように「Aモード」(手動操作による飛行)のフライトモードを選べる機体もあります。
山間部ではお手元の機体が手動操縦が可能かどうかまず調べて、危険性があると判断したらGPSをOFFにして飛行させることをおすすめします。
⑥小川にかかる橋の下を通過させようとして墜落させてしまった
橋の下を飛行する映像はドローンならではの技ですが直進性の強いGPSにとっては苦手な場面で墜落する機体も少なくありません。
屋外なのにGPS信号が届かないということですか?
橋の下はGPSからすると突然できた屋内のようなものです。
橋の下でGPSが届かなくなり、橋を通過した途端にGPS信号をキャッチするとドローンが制御不能になることがあります。
GPS信号の性質通り橋の下には届かない場所があると考えておいた方が良いでしょう。
墜落させないためには
- GPSをOFFにして飛行させる
- GPS機能のないドローンで空撮する
近所の小川を目視内で撮影するならGPS機能がないカメラ付きのマイクロドローンでも楽しめると思います。
軽量(80g)でも抜群の安定性!DJIとIntelのノウハウがひとつに詰まった100g未満のカメラ付きドローン
⑦滝に接近しすぎて墜落させてしまった
GPSには関係しませんが迫力のある映像が欲しくて墜落させてしまうケースです。
滝の近くって危ないんですか?電波とか関係ないような気がしますけど・・・。
水はすごい勢いで落下します。
大きな滝だと落ちる速度は時速100kmにもなり滝壺では風速20m近くの風が舞い強い上昇気流が生まれます。
ドローンは機体の重量と機体の下に与える風力でバランスを取っているので上昇気流が苦手なのも理由のひとつです。
滝表面付近に吹く風の流れによって滝に吸い寄せられるように墜落していきます。
墜落させないためには
- 滝にはあまり近づかない
- 少し離れてズーム機能を使って撮影する
水の流れが速いと水面の近くには複雑な気流が生まれドローンが吸い込まれるほどの風が吹きます。
もし大きな滝に墜落させた場合は機体を回収するのも難しくなります。
せっかく撮った映像素材ごと水の中に沈んでなくならないように滝には十分注意を払いましょう。
まとめ|ドローン墜落7つの原因!GPSやセンサーが引き起こす想定外の事故とは?【防ぐ対策も解説】
今回は墜落させてしまったケース7つをお話してきました。
GPSの受信状態や高性能なセンサーでも墜落につながることがわかっていただけたと思います。
- 自分の部屋から離陸して窓から屋外に出たら墜落してしまった
- 大きな構造物を一周させる時に墜落させてしまった
- 水面ギリギリを飛行させてそのまま水没させてしまった
- 灯台に接近しすぎて墜落させてしまった
- 山と山の間を飛行させていて墜落させてしまった
- 川にかかる橋の下を通過させようとして墜落させてしまった
- 滝に接近して墜落させた
飛行技術には関係のないものばかりでしたね。
逆に考えれば墜落させないように飛行するには幅広い知識が必要ってことです。
複数の衛星から発信される電波を頼りに飛行するドローンには最新の装備が施されていますが、正しく受信できなければ当然正しく飛行させることはできません。
ドローンの装備に過信しないよう電波の特徴を理解してくだけで墜落を未然に防げるので知識を持ってフライトを楽しみましょう。
ドローンスクールではみなさんの「?」にお応えします。