双眼鏡は、ドローン飛行に欠かせない道具ですね。
操縦者が目視外飛行する時には、補助者が双眼鏡でしっかりとドローンを捉えていなければなりません。
双眼鏡が大きければ遠くまで見れるんですよね。
選ぶ基準は大きさでも倍率でもないんです。
双眼鏡は、多くの性能がありますが、選び方を間違ってしまうと、思うように使いこなすことができないため、自分に合った機能付きの双眼鏡を、選びましょう。
今回は、ドローンの目視外飛行に欠かせない、双眼鏡に関するお話です。
海で飛行させる時には、双眼鏡は、とっても頼りになる存在。近々予定している人はこちらの記事を参考に。
ドローンを海で飛ばしたい【許可を取るために知っておきたいこと】
ドローン飛行に適した双眼鏡の選び方
ひと口に双眼鏡と言っても、使用する目的によって選び方が違います。
双眼鏡は、モノによって向き不向きがあり、選び方を間違えると、本来の目的が果たせないことがあります。
ここではまず、双眼鏡をシーン別に整理してみます。
- コンサートやライブに向いている双眼鏡
- 観劇や舞台鑑賞に向いている双眼鏡
- スポーツ観戦向きの双眼鏡
- バードウォッチングやアウトドア向きの双眼鏡
- 天体観測
双眼鏡は、見た目は大きく変わりませんが、目的によって性能が全く異なります。
ドローンの空撮で使用する場合は、③スポーツ観戦向きの双眼鏡がおすすめです。
では、おすすめの5選を早速お伝えします。各項目の詳細は広範で解説しています。
ドローンにおすすめの双眼鏡5選!
では、ドローンの飛行にはどの双眼鏡が適しているのでしょうか。実は答えはひとつではありません。
仕事で1000mもの遠くまで飛行させるドローンを監視する人もいれば、100m以内の目視に近い状態で飛行させる人もいて、様々なため、ご自身の飛行に合ったものが最も適していると言えます。
- 距離はそれほど遠くまで見えなくても広い範囲が見える
- 被写体の周囲が明るく見える
- 遠くの被写体がはっきり見える
双眼鏡に求めるものを明確にしてから探すと、目的に合ったものが手に入ります。
初心者におすすめの双眼鏡2つ
ドローン初心者であれば、いきなり数百メートルも離れた目視外飛行を行うことは、ほとんどないと思います。
ここでは100mほどの距離を監視しやすい双眼鏡として「倍率8倍」をピックアップしました。
OLYMPUS ダハプリズム双眼鏡
OLYMPUS ダハプリズム双眼鏡は、手のひらと同じくらいの小型軽量タイプの双眼鏡、倍率は8倍で100mくらいの飛行におすすめ。
ひとみ径は2.6mm、明るさは6.8とやや暗めですが、近距離であれば十分対応できます。
アイレリーフは11.5mmなので、メガネを使用している人には、やや不向きと言えますが、185gの軽量タイプで、長時間使用しても疲れないのがメリットです。
倍率 | 8倍 |
ひとみ径 | 2.6mm |
明るさ | 6.8 |
アイレリーフ | 11.5mm |
最短焦点距離 | 3m |
対物レンズ有効径 | 21mm |
実視界 | 6.3 |
1000mにおける視界 | 110m |
重さ | 185g |
サイズ | 3.8 x 10.6 x 8.8 cm |
その他機能 | ソフトケース、ストラップ、接眼レンズキャップ |
参考価格 | 10,740円 |
OLYMPUS 双眼鏡 パープル
OLYMPUS 双眼鏡 パープルは、倍率8倍で高性能、ひとみ径3.1mmで明るさ9.8は、このクラスではバランスの取れた機種です。
アイレリーフも15mmで、メガネを使用する人にもおすすめできます。
重量は260gなので、重さもあまり苦にならず、防水機能もついているので、ドローン以外にも幅広く利用できますし、何よりスタイリッシュなフォルムがカッコイイ双眼鏡です。
倍率 | 8倍 |
ひとみ径 | 3.1mm |
明るさ | 9.8 |
アイレリーフ | 15mm |
最短焦点距離 | 1.5m |
対物レンズ有効径 | 25mm |
実視界 | 6.2 |
見掛け視界 | 47.5 |
1000mにおける視界 | 108m |
重さ | 260g |
サイズ | 4.4 x 10.7 x 10.4 cm |
その他機能 | 防水、全面マルチキャップ、ソフトケース、ストラップ、接眼レンズキャップ |
参考価格 | 7,980円 |
Nikon 双眼鏡 スポーツスターEX
Nikon 双眼鏡 スポーツスターEXは、優れた携帯性で折り畳みも可能。
視界が広く明るさも6.3で、100m以上のドローン飛行にも対応できる、倍率10倍の双眼鏡です。
本体内部に窒素ガスを充填した、アウトドアでも安心の本格的防水仕様。
アイレリーフは10.0なので、メガネを使用する方にはちょっと不向きですが、気軽に持ち運べる使いやすいタイプです。
倍率 | 10倍 |
ひとみ径 | 2.5mm |
明るさ | 6.3 |
アイレリーフ | 10.0 |
最短焦点距離 | 3.5m |
対物レンズ有効径 | 25mm |
実視界 | 6.5 |
見掛け視界 | 59.2 |
1000mにおける視界 | 114m |
重さ | 300g |
サイズ | 高さ:103mm × 幅:114mm |
その他機能 | 防水 |
参考価格 | 10,989円 |
もっと遠い距離を飛行させる時におすすめの双眼鏡2種
Nikon 双眼鏡 トラベライトVI
Nikon 双眼鏡 トラベライトVIは、倍率12倍の望遠タイプですが、ひとみ径、明るさにやや弱く、少し暗さを感じるところが、価格の安さに現れています。
実視界も4.2と低めなため、遠い被写体を捉えるのは、他の機種と比べて少し難しいデメリットはありますが、このプライスと遠くまで見通せる性能を優先する方におすすめの機種です。
明るい日に遠くの被写体を見るのには、価格とスペック共におすすめです。
倍率 | 12倍 |
ひとみ径 | 2.1mm |
明るさ | 4.4 |
アイレリーフ | 11.1 |
最短焦点距離 | 4.0m |
対物レンズ有効径 | 25mm |
実視界 | 4.2 |
見掛け視界 | 47.5 |
1000mにおける視界 | 73m |
重さ | 275g |
サイズ | 11.81 x 11 x 5.41 cm |
その他機能 | マルチコート、ソフトケース、ストラップ |
参考価格 | 11,988円 |
100m以上離れてドローンを飛行させる時のおすすめ双眼鏡
Nikon 20倍双眼鏡 モナーク5
Nikon 20倍双眼鏡 モナーク5は、今回紹介する中で、最も倍率の高い双眼鏡です。
全てのレンズとプリズムに、多層膜コーティングが施されているので、双眼鏡内に光を吸収しやすく、明るい視界が広がる優れものです。
窒素ガスを充填した本格的な防水仕様と、メガネをかけたままでも見やすい設計。
重さはそれなりにありますが、ドローンの短時間飛行なら、十分対応できる機種です。
倍率 | 20倍 |
ひとみ径 | 2.8mm |
明るさ | 7.8 |
アイレリーフ | 16.4 |
最短焦点距離 | 5.0m |
対物レンズ有効径 | 25mm |
実視界 | 3.3 |
見掛け視界 | 47.5 |
1000mにおける視界 | 58m |
重さ | 1235g |
サイズ | 高さ199×幅146mm |
その他機能 | 防水、多層膜コーティング、ケース、ストラップ、三脚アダプター |
参考価格 | 58,100円 |
ご紹介した5つを比較してみました。
双眼鏡選びは「倍率:被写体までの距離」「明るさ:双眼鏡内で見える明るさ」「ひとみ径」「重さ」をポイントに探すのがおすすめです。
OLYMPUS ダハプリズム | OLYMPUS パープル | Nikon スポーツスターEX | Nikon トラベライトVI | Nikon モナーク5 | |
---|---|---|---|---|---|
倍率 | 8倍 | 8倍 | 10倍 | 12倍 | 20倍 |
ひとみ径 | 2.6mm | 3.1mm | 2.5mm | 2.1mm | 2.8mm |
明るさ | 6.8 | 9.8 | 6.3 | 4.4 | 7.8 |
アイレリーフ | 11.5mm | 15mm | 10.0mm | 11.1 | 16.4 |
最短焦点距離 | 3m | 1.5m | 3.5m | 4.0m | 5.0m |
対物レンズ有効径 | 21mm | 25mm | 25mm | 25mm | 25mm |
実視界 | 6.3 | 6,2 | 6.5 | 4.2 | 3.3 |
1000mにおける視界 | 110m | 108m | 114m | 73m | 58m |
重さ | 185g | 260g | 300g | 275g | 1235g |
サイズ | 3.8 x 10.6 x 8.8 cm | 4.4 x 10.7 x 10.4 cm | 高さ:103mm × 幅:114mm | 11.81 x 11 x 5.41 cm | 高さ199×幅146mm |
その他機能 | ソフトケース、ストラップ、接眼レンズキャップ | 防水、全面マルチキャップ、ソフトケース、ストラップ、接眼レンズキャップ | 防水 | マルチコート、ソフトケース、ストラップ | 防水、多層膜コーティング、ケース、ストラップ、三脚アダプター |
参考価格 | 10,740円 | 7,980円 | 10,989円 | 11,988円 | 58,100円 |
知っておくと安全! ドローン飛行に欠かせない双眼鏡の性能
ドローンを目視外で飛行させるとき、双眼鏡は必須です。
・操縦者が目視できないほど距離が離れる飛行
・操縦者がコントローラーの映像を見ながら飛行する
つまり、操縦者がドローン本体を見ずに飛行させるため、操縦者の代わりにドローンを監視する「補助者」が必要になります。
ここでは、双眼鏡の性能を知って、自分にぴったりの双眼鏡選びに役立てましょう。
倍率の違い
双眼鏡は、倍率が高いほど遠くのものが、大きく見えます。
倍率ってよく書かれているけど、大きいほど遠くまで見えるってことしか…。
実は倍率の高さは、使用目的に合わせて選ぶ必要があるんです。
倍率 | 対象物までの距離 | 肉眼で見る時の大きさ |
---|---|---|
4倍 | 100m | 25m近づいた時と同じ見え方 |
10倍 | 100m | 10m近づいた時と同じ見え方 |
24倍 | 100m | 4m近づいた時と同じ見え方 |
それなら迷うことなく24倍を選んだらいいんでしょ。
そう思われがちですが、違います。
もちろん遠くまで見れるのは、大きなメリットですが、デメリットもあります。
- 遠くのものを見るために設計されているため、近くのものを見ると視野が狭くなる
- 明るさが確保しにくいので被写体が暗く見える
- 手元がブレると遠くは大きくブレるため被写体を見失いがちになる
単に大きな倍率の双眼鏡を選ぶよりも、見たいものまでの距離で適切な倍率の双眼鏡を選択する方が、おすすめです。
明るさ・ひとみ径の違い
明るさはわかりますが、ひとみ径って一体なんでしょうか?
ひとみ径は、双眼鏡の瞳の大きさのことで、明るさを示す目安になります。
例えば、対物レンズの有効径が42mmで、レンズの倍率が10倍の場合は「42÷10=4.2 → 4.2×4.2=17.64」が明るさの数値となります。
では対物レンズの有効径が42mmで、レンズの倍率が4倍の、望遠タイプではない双眼鏡の場合はどうでしょうか。
「42÷8=5.25 → 5.25×5.25=27.56」 になり、望遠タイプより明るく見えることがわかります。
このように、遠くを見るために、不必要な倍率の双眼鏡を買ってしまうと「高い」「暗い」などのデメリットが出てきます。
特に夜間飛行をする人にとっては、重要な性能なので、見落とさないようにしましょう。
ひとみ径 | 明るさ | 用途 |
---|---|---|
7〜5mm | 49〜25 | かなり明るい。 |
3〜5mm | 9〜25 | 明るい。 |
2〜3mm | 4〜9 | やや暗め。 |
2mm未満 | 4未満 | 暗め |
重さやサイズの違い
双眼鏡は、大きければ性能が良いというわけではありません。
ドローンの空撮の場合、覗き続ける時間が長くなるため、重いとすぐに疲れてしまいます。
最近のドローンは、1つのバッテリーで飛行できる時間が長くなっているので、できるだけ軽くて性能が良いものを選ぶのがポイントです。
ドローン飛行に使用するなら、300g以下の軽量な双眼鏡がおすすめです。
便利な機能の違い
双眼鏡には、便利な機能がいくつかあり、機種によって備わっているものがあります。
ドローン空撮にとって便利なものもあるので、双眼鏡選びの参考にしてください。
手ぶれ補正機能
視力の違いにもよりますが、ドローンをしっかりと目視できるのは、40m〜50mまででしょう。
それよりも遠いドローンを、双眼鏡で追いかけるとき、遠くなればなるほど、手元の小さなぶれが、ドローンを見失うことにも繋がります。
できれば、手ぶれ補正の機能がついた双眼鏡を選ぶのがおすすめです。
防滴機能
防滴機能は、雨や水しぶきから守ってくれます。
時計で言う日常用防水みたいなものですか?
そうですね。防滴は小雨や水しぶき程度ですが、防水は水に入れても問題ないという違いです。
防水は水からしっかり守ってくれますが、防滴機能はそれに比べると劣りますが、基本的にドローンは、雨天飛行が不向きなので、防滴機能で十分です。
ドローン以外の目的にも使用する場合は、防水機能付きの双眼鏡を検討しても良いでしょう。
アイレリーフはメガネを使用する人は要チェック!
アイレリーフとは、双眼鏡を覗いた時に、視界すべてを見ることができる「レンズと瞳の間の距離(mm単位)」を言います。
メガネをかけた状態で、双眼鏡を使用する人は、メガネの分だけ双眼鏡のレンズと瞳の距離が開いてしまいます。
メガネをかけて使用する場合は、アイレリーフが14mm以上確保されているものを、選択するのがおすすめです。
レンズのコーティング
明るさとキレイさを追求するなら、レンズコートも見逃せない機能のひとつです。
双眼鏡には、多くのレンズが使用されているため、取り込んだ光の50%くらいしか、眼に届かない作りになっています。
より明るく見えるように、光を取り入れるように作られた機能が「コーティング」です。
レンズの表面に、薄い化学物質の膜を作って、多くの光を吸収できるようにしたもので「シングルコート」と「マルチコート」があり、シングルコートは1層で、マルチコートは3層が一般的です。
高級なものは5層や7層、9層もあり、数値が高いほど、光の透過率が高くなるので、双眼鏡は明るく見えます。
ドローン飛行に使うなら知っておきたい!双眼鏡の視界
実視界を知っておこう
ドローンは上空で飛行するため、視界が狭いと追いかけるのが難しくなり、見失ってしまうこともあります。
ドローンが障害物に衝突したり、野鳥の接近などを、早く発見するために、視界の広さは大切です。
双眼鏡では「実視界」と呼ばれ、倍率が低いほど広く、倍率が高い望遠レンズは実視界が狭まります。
双眼鏡は、単に倍率の高いものではなく、自分に合ったドローンまでの距離を想定して、選ぶようにしましょう。
まとめ|ドローン飛行に適した双眼鏡は飛行方法によって違う
双眼鏡は、倍率が高ければ良いと思っていたら、それだけではないことが、わかっていただけたと思います。
倍率が高い双眼鏡は価格も高くなりますし、さらに明るさを求めると、もっと高価になります。
見る対象によって適切な倍率は様々ですが、見やすさ、使いやすさを考えると12倍ぐらいまでがおすすめです。
双眼鏡で見えている状態が、肉眼ならどれくらいの距離に見えるかは「対象物までの距離÷倍率」で計算する式できるため、まずは自分とドローンの離れる距離を決めて倍率を選ぶのがおすすめです。
初心者パイロットで、それほど遠くまで飛ばさないなら、ハイスペックのものは必要なく、比較的安い価格で、明るいものが手に入りますので、今回の記事を参考にしてください。
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