ドローンを飛行させる前に、飛行場所、日時などを国土交通省に申請する「飛行計画通報」が義務付けられています。
もし、飛行計画の通報をせずに特定飛行を行った場合、航空法第157条の10に従い「30万円以下の罰金」が課せられますので注意してください。
今回は、飛行計画の通報を一緒に進めていきましょう。後半ではサクッと完了する「裏ワザ」もお伝えします。
飛行計画の通報は、毎回飛行するたびに行う面倒な作業ですが、同じ時間に近くを飛行予定のドローン情報も把握できる「安全のためにも必要」な作業です。
今回はその手順がスムーズに完了するよう、お手伝いします。
まだ飛行許可を取ってないよ、という方はこちらを参考に許可申請を進めてください。
ドローン DIPS2.0を徹底攻略!【包括申請を取得する方法】
ドローンの飛行計画通報が必要な理由
飛行計画通報は、事前に通報することで、同じ時間帯にどこで他の無人航空機が飛行しようとしているかを、誰でも見れるように共有して安全を確保するためです。
自分の飛行時間にどれだけの無人航空機が飛んでいるのか見ることができるので、事前に注意することができますね。
自分が飛行する前後に近くで飛行させる機体がないか、開始時間、終了時間、緯度、経度、高度などの情報を事前に確認しておき、安全な飛行に役立てましょう。
ドローンの飛行計画通報はDIPS2.0から!
飛行計画の通報はDIPS2.0のページから行ないます。
飛行の予定が決まったら、必ず事前に登録しましょう。
こちらがDIPS2.0のトップページです。
DIPS2.0は、飛行に必要な内容が全て集約されているので、お気に入りやブックマークしておくと良いでしょう。
少し下へスクロールすると「飛行計画の通報・確認へ」のボタンが表示されます。
「飛行計画の通報・確認へ」をクリックして先に進みます。
ドローンを購入して最初に行う作業「機体登録」が完了している場合は、お持ちのドローンが無人航空機情報に追加されているはずですので、まずは「無人航空機情報の登録・変更」をクリックして確認しておきましょう。
操縦者情報は、手入力で「操縦者情報の登録」を行う必要があります。
飛行計画の登録作業前に必ず行なっておきましょう。
登録がまだの場合は、DIPS2.0初期設定の重要ポイント!【操縦者情報を登録】を参考に、情報の登録を行ってください。
操縦者情報の登録が完了したら「飛行計画の登録」をクリックします。
ドローンの飛行計画の通報を登録する手順
飛行計画の通報が、初めての人は「ちょっと面倒だな…。」と思うかもしれません。
登録完了までには約20項目近く入力していかないといけませんが、安全性の確保と飛行情報の共有の目的のために辛抱して登録していきましょう。
「新規通報」をクリックすると画面が切り替わります。
日本地図が表示されたら、マウスでスクロールして飛行する場所を拡大表示します。
今回は淡路島の北部を例にとって登録を行なっていきます。
「飛行経路/飛行範囲」をクリックして図形を選択します。
四角、丸、線のどれでも大丈夫ですが、今回は丸を選択して進めていきます。
飛行させる場所に選んだ図形で範囲を設定します。
図形を選んで地図上でクリックすると範囲が設定できます。編集する場合は「編集」ボタンを押して、設定範囲の中央でクリックすると範囲を修正することができます。
続いて右側の項目を登録していきます。
①飛行計画名称
ご自分が区別しやすい名称でOKです。
飛行が終わったものも一覧で表示されるようになるので、区別しやすい名称にしておきましょう。
②飛行許可番号
許可番号、許可書発行日、許可等の期間(自)、許可等の期間(至)を順に入力します。
許可番号は、国土交通省から発行された許可証に記載されていますので番号だけをそのまま入力します。
国土交通省からオンライン上に発行される飛行許可証の右上に記載してある内容を入力します。
③機体情報
ドローンを購入して最初に行なった「機体登録」の情報が表示されます。
飛行させる機体を選択して「登録」をクリックします。
④操縦者情報
操縦者を選択して「登録」をクリックします。
操縦者登録を事前に行なっていない場合は何も表示されませんので「操縦者情報」を登録してからはじめましょう。
⑤飛行目的
空撮、自然観測にチェックを入れて「登録」をクリックしました。
飛行許可承認申請をした時と同じ項目にチェックを入れたらOKです。
⑥飛行空域
飛行する目的に合わせてチェックを入れて「登録」をクリックします。
ここでは「上記空域の飛行は行わない」にチェックを入れました。
「空港等周辺」「地表・水面から150m以上の高さの空域」は、包括申請では認可が下りない特定飛行です。
飛行する場合は、国土交通省に個別申請を行なって、事前に許可をもらっておく必要があります。
⑦飛行方法
飛行する方法を選択します。
包括申請や個別申請で許可が下りた項目を選択して「登録」をクリックしてください。
⑧保険に関する情報
ご自身が加入されている保険を入力します。
スカイファイトで資格を取得された方は、全て同じ内容で大丈夫です。
ライセンス維持料をお支払いいただいている間は保険が継続して適用されます。
スカイファイト各校で対応しています。
10〜14の項目を入力していきます。
- 立ち入り管理措置
- 係留飛行
- 補助者人数
- 出発地
- 目的地
- 最大飛行時間
- 目的地までの所要時間
- 開始日時
補助者がいる場合は、立ち入り区画の設定は空欄でも大丈夫ですが、補助者がいない「補助者人数が0人」の場合はチェックを入れないと、入力が完了しないので注意しましょう。
終了日時は最大飛行時間から自動で算出されるので、入力の必要はありません。
15〜17の項目を入力していきます。
- 飛行速度
- 飛行高度
- 連絡先
Sモード:16m/s → 57.6km/h
Nモード:10m/s → 35km/h
Cモード:6m/s → 21.6km/hです。
飛行速度の参考にしてください。
全ての入力が完了したら、右下の「登録」をクリックします。
特定飛行に該当する「目視外飛行」「人、物から30m未満」「夜間飛行」「DID地区での飛行」を行う登録をした場合、現在は全て「カテゴリIIA」扱いになっています。
表示されている内容が、国土交通省から下りた許可と相違ないか確認してください。
確認ができたら「登録」をクリックします。
虚偽の申請を行なって飛行させたことが発覚した場合は、航空法違反になります。
ご自身が取得した許可の内容をきちんと把握しておきましょう。
登録した飛行計画を確認する
飛行計画通報は、ドローンパイロットとしての義務ですので、飛行計画通報が正しく登録されているか確認します。
「本当に飛行しているかを航空局や警察署が随時確認しているとは思えない」そう思いますが、リモートIDが装着されているため、安易に確認することができそうです。
自動車で言えば、時々スピード違反の取り締まりが行われているイメージですね。
ルールを守ることは、万一予測しない事故やトラブルがあった時に、最悪の状況から回避できる安全策になるので、正しく申告することが大切です。
ペンのマークをクリックして内容を確認することができます。
「検索」「禁止エリア表示」の便利機能を使う!
飛行計画を登録するときに便利な機能をご紹介します。
これは特に知っておかなくても大丈夫かな?
確かに知らなくても登録はできますが、ただでさえ面倒なので少しでもラクになればと思うのでお伝えしておきますね。
登録画面の左上にある「禁止エリア表示」は、空港やDID地区を、表示にも、非表示にもできます。
「虫眼鏡」をクリックするとテキスト検索ができるので、地域名称で検索することができます。
お疲れ様でした。
飛行計画通報の登録が毎回これだと疲れてしまいますね。
ここでちょっとした裏技をお伝えしていきます。
登録にかかる時間を一気に短縮する裏技とは?
飛行計画の通報は結構面倒ですが2回目から楽に終わらせるコツがあります。
実は「複製」という機能があるんです。すごく便利ですよ。
複製は全ての情報をもうひとつ作ってくれるので、変更する必要のある項目「日付、時間、場所」を書き替えるだけで簡単に次回の飛行計画を作成することができます。
飛行計画一覧から「複製」のマークをクリックします。
全ての情報が複製された画面が表示されるので「飛行場所」「出発地」「目的地」「飛行時間」など、変更する情報だけを入れ替えていきます。
場所や時間以外は変更することがあまりないですよね。
飛行させる場所を淡路島の南へ、その他日程、時間を変更しました。
新しく「淡路島南」が作られました。
何度も入力する必要がなくなるので「複製」はとても便利に使えます。
これで飛行計画通報が一気に短縮できますね。
機体のメンテナンスを怠らないように万全の準備で飛行を楽しみましょう。
機体のメンテナンスってどうやったらいい?
安全のためのチェック項目について知りたい方は参考にしてください。
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罰則アリ!ドローン飛行前の義務【飛行計画の通報:DIPS2.0】
ドローンの飛行には大きく分けて4つの義務があります。
- ドローン購入後の機体登録
- ドローンを特定飛行させるための飛行許可承認申請
- ドローン飛行が決まってから飛行させるまでに済ませる飛行計画の通報
- 飛行した後に記録を残す飛行日誌の作成
今回ご紹介した飛行計画の通報だけでも「30万円以下の罰金」が課せられる厳しい義務です。
特定飛行をしないなら、飛行計画の通報は不要とされていますが、1年後に「包括申請」の取得をするときに重要な意味を持つ可能性は捨てきれません。
飛行計画の通報と飛行日誌の作成が国土交通省の記録に残れば包括申請するときの飛行実績に関わってくるかもしれません。
近い将来、ドローンが大きく活躍するときにためにも、国が定めた義務に柔軟に対応しながら飛行を楽しんでいきましょう。
困ったときのためにも、ドローンスクールとの関係は上手に保っておくことをおすすめします。
今日があなたの一番若い日、一緒に学び、一緒に楽しみましょう。
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